管轄主体
DFB(ドイツサッカー連盟)が 「地域協会の」スポーツシューレと呼ぶように、DFBは施設を自ら所有しておらず、所有と管轄主体はそれぞれの地域協会です。それぞれのスポーツシューレの特徴は多少違いはあれど、21ある地域協会それぞれにこのような施設があり、DFBは、必要に応じて地域協会と連携して施設を利用しています。
私が所属するサッカーの地域協会の本部は、スポーツシューレ・ヘネフにあり、年に何回か行われる審判資格更新講習会のいくつかはこのスポーツシューレ・ヘネフにて行われます。
以下、スポーツシューレ、特にスポーツシューレ・ヘネフについて書きたいと思います。
スポーツシューレ・ヘネフはサッカーのみならず、ボクシング、レスリング、柔道、テコンドー、ウェイトリフティングの強化活動拠点でもあり、グランド、トレーニング施設、会議室と宿泊施設を備えたスポーツセンターです。
DFB(ドイツサッカー連盟)によるスポーツシューレ・ヘネフ(Sportschule Hennef)の紹介ページからまずは全体像を。
各ポイントで撮った写真をいくつか。
緑に囲まれてとても気持ちの良い場所です。
プロ・サッカー指導者養成機関の拠点
また、へネス・バイスバイラー・アカデミーと呼ばれるプロリーグのサッカー指導者を養成する機関が拠点としているのもここスポーツシューレ・ヘネフで、このヘネフで指導者養成コースに合格した指導者は、”Made in Hennef” と呼ばれ一種のブランドになっています。
合宿・トレーニング拠点
1990 イタリア・ワールドカップで優勝したドイツ代表がワールドカップ予選対ウェールズ戦(ワールドカップ出場を決めた試合)に向けた合宿をここで行い、コンフェデレーションズカップ 2005 ではアルゼンチン代表がここを拠点とし、その他南アフリカ代表、スウェーデン代表などの代表チーム、FC アーセナルなどのプロフェッショナル・クラブチームもスポーツシューレ・ヘネフを訪れた… というのは以下のページにも書かれています。
http://www.sportschule-hennef.de/impressionen.html
このチームやこの選手も来たんだ、といろいろ見ていると、、、Kリーグ担当の審判団もスポーツシューレ・ヘネフを訪れ、元ブンデスリーガ担当審判のルッツ・ヴァグナー氏の協力を得て、Kリーグ開幕前の準備をしたとも書いてありました。
また、日本のある高校のサッカー部がドイツ遠征中にこちらのチームと行った練習試合を担当させて頂く機会がありました。彼らも、ドイツ遠征中、このスポーツシューレ・ヘネフを宿泊地としていたようです。
会議・セミナー会場
いろいろなテーマで会議、セミナーが行われています。例えば、人工芝をテーマにしたセミナーが人工芝導入、人工芝の管理に関心のあるクラブに向けて定期的に行われています。
食事
余談になりますが、スポーツシューレ・ヘネフの食事はとても美味しいです。ドイツは食事が美味しくないというイメージがありますが、私のドイツ人の友人の多くは「それは人やレストランによるでしょ」と言います。他がどうか?はさておき、ここの食事は美味しく別格です。
セレッソ大阪にも所属していたカカウ選手が指導者Aライセンス取得のための講習でスポーツシューレ・ヘネフを訪れた際も、料理長の準備した料理で喜んだと。
その他
さいたま市のスポーツタウン構想が実現に動き出しているのかどうかは分からないのですが、平成28年3月の資料によると、ドイツのスポーツシューレを参考にしているようです。
さいたま市スポーツタウン構想(平成28年3月)https://www.city.saitama.jp/004/006/008/p046858_d/fil/kousou.pdf
スポーツシューレは、1961 年から始まった西ドイツ(当時)の「ゴールデンプラン」による大規模なスポーツ施設整備計画に基づき、ドイツ各地にできた滞在型総合スポーツトレーニング研修センターである。
グラウンド、 体育館、各種競技用のスポーツ施設、会議研修室、宿泊施設などを備え、地域の人々のスポーツ・レクリエーション活動の場として、また、小団体から国の代表チームまでのトレーニングや合宿、 指導者育成の研修会、ビジネス会議や各種セミナー開催など様々な目的で利用される。
来シーズンの更新講習会の後、このスポーツシューレ・ヘネフについてまた更新したいと思います。